No.6 船町渡船場編@第1回大阪渡し船旅

木津川渡船場から船町渡船場までは、徒歩で5分〜10分ほどの距離である。地図で見てもらえば分るように本当に至近というべき距離だ。「船町」とは、木津川と木津川運河の間にある「中州」の名称。名前からして古来より水運関連の土地だったことが察せられる。今は中山製鋼所の船町工場をはじめとして工場ばかりが立ち並ぶ。というより、地図を見る限りでは住宅は一切無いように思われる。なるほど木津川渡船場のダイヤが日中45分間隔になるわけだ。けだし納得。でも、こちら船町は日中でも15分間隔である。この違いは何だろうか。ちょっとした考察テーマではある。

最短距離

船町渡船場は、大阪市営渡し船8航路の中で最も運行距離が短いルートである。その距離は約75m。他の7本は木津川・尻無川・安治川に航路が設定されている。しかし、船町渡船だけは「木津川運河」を走る航路なのだ。小樽運河もそうであるが、運河なんてものは元来距離があるものではない。そして運河だけに船の航行が優先される。船の優先順位が低い運河なんて本末転倒なのはいうまでもない。それだけに架橋する場合に困難をともなうというわけ。具体的には、天高くトグロを巻く千本松大橋みたく大がかりなものになってしまう。それならば、歩行者に関しては渡し船を活用したほうが現実的という計算があるのだろう。

距離がないだけに落合上渡船場みたいな「S字ターン」を決めることはできない。そのために半円を描くような軌道を取ることになる。「S字」も見事だが、こちらもなかなか見事な機動だ。乗客の人数によって、テールの滑り具合が異なったりするのではなかろうか。向こうからの乗客はいなかった。今回乗船したのは「ふなづる」。

画像や動画をご覧いただければ分るように船町渡船場は2隻体制である。場所がら朝夕はフル回転して工場従業員の方を運ぶものと思われる。

【 ムービー 船町渡船場 運行編 66秒 ボリュームに注意 】

設備を観察

左の画像は全ての渡船場に常備されていた運行状況を知らせる信号灯。LEDを使用した電光式である。わりと新しい感じだったので、最近設置されたもだろう。仕組みは「×」印の時は「休航」で無点灯の時は「通常運行」。でも、この信号灯はLEDで「○×式」になっている。私も関西人の端くれなので「それやったら○はいらんやんか」と心の中で突っ込んでおく。思うに逼迫する大阪市財政を反映して、節電のために平時は「○」を表示しないようにしているのだろう。あるいは発注段階で仕様を間違えたとか・・・なんて邪推はやめておこう。

船町渡船場の待合い所は、屋根付は当然として3面に壁がある。この日のように風が無慈悲に強い日には、心から嬉しい設備だ。窓は透明樹脂プレートがはめ込まれており、採光も最高(失礼)。大阪市営渡船は自転車ユーザーがとても多く、取り回しが邪魔なので壁を作れない事情はなんとなく察せられるのだが、徒歩で自走式に旅する「自走家」には嬉しいプレゼントである。とはいえ、これも冬場だからこそであり、夏場になると真逆のことを思うのだろうけれども。

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